途切れても繋いでいく。
伝統の茶道具をもう一度。
理平焼
紀太洋子(理平焼窯元)
日本で古くから愛されてきた茶文化。全国各地で多種多様な茶道具が生み出されてきた。理平焼もそのひとつだ。代々「紀太理平」を襲名し、一子相伝で受け継がれてきたが、その歩みは13代目でいったん途切れることになる。そこから再び制作を始めたのは、13代目の妻・洋子さんだった。現在は、次期15代目・信吾さんとともに、試行錯誤を重ねながら、14代目としての挑戦を続けている。
気持ちが一番大事。
13代目だった夫が亡くなったあと、理平焼に携わることを決めました。それまで焼き物の経験はなく、まずは京都で絵付けの基礎を学びました。高松に戻って制作を始めたものの、身につけたのはあくまで土台だけ。デザインや表現は、自分で模索していくしかありませんでした。それでも「気持ちが一番大事。やろうと思えばなんでもできる」と、制作を続けてきました。
できないとは言わない。
制作では、清潔感や品を大切にしています。口にするものですから。お客様からさまざまな要望をいただきますが、その中でも、理平焼らしい品のある絵付けを心がけています。以前、歌の「越後獅子」を描いてほしいと頼まれたことがありました。正直驚きましたが、知らないことを理由に「できません」とは言いません。品を保ちながら、どう表現できるかを考えながら、描いていきました。
続けていくことの難しさ。
日々制作を重ねる中、初の女性陶工として反発を受けることもありました。そのたびに「自分にできることは何か」を考え続けてきました。簡単ではありませんが、続けることこそが何より大切だと感じています。理平焼は、400年近く続いてきましたが、伝統を守りつつも時代に合わせて少しずつ変化してきた部分もあります。これからも、新しいものを取り入れながら続いてほしいですね。
特別名称・栗林公園の北門前にあるギャラリーには、四季折々の景色を映した器が並ぶ。その奥の工房では、次期15代目になる息子・信吾さんとともに日々制作が続けられている。「茶道具だからこその決まりに囚われすぎず、いろいろなものを作っていきたい」と語る信吾さん。これからも新たな歴史が紡がれていく。
理平焼 窯元
〒760-0072 香川県高松市中野町34-17 栗林公園北門前
TEL 087-831-8230