温故知新の心持ちで
日々、畳作りの腕を磨く。
古式畳
山下明宏・山口晃平(有限会社山下畳商店)
高松市国分寺町にある山下畳商店は、職人全員が畳製作技能士資格を持ち、その高い技能と豊富な知識で全国からの要望に応えている。文化財修復にも携わり伝統的な技能の習得にも積極的だ。「昔ながらの畳ならではの良さと、その良さを味わうための手入れの仕方をきちんと伝えたい」と語る伝統工芸士・山下明宏さんと山口晃平さん。熱い使命感と探求心を胸に、よりよい仕事を、と日々畳に向き合っている。
直して使い続けられるのが畳の良さ。
寺社からの要望で古式畳を作ったり、昔の畳を復元したりすることもあります。「畳縁(たたみべり)を踏むな」というのは、昔は布地が大変な手間のかかる高級品だったからなんですよね。畳も上流階級で使われる限られた調度品でした。藁とい草でできた畳は傷んでも張り替えができます。使っているうちに縫い糸が緩んだら締め直したり、中身がへたったら足したりと、捨てることがないんです。文化財の修復をするときは、100年、200年前の畳もこうして張り替えることでまた次世代へと残していきます。
手は抜かない。現状にも満足しない。
畳作りは前段階の仕事が後にどんどん積み重なってくるような作業の連続なので、どこかで妥協してしまったら後から必ずそのしわ寄せが来ます。だからこそ、どの段階でもできるだけのことは必ずしておく。後は自分の今の仕事に満足しないということですよね。伝統工芸士さんはきっとみなさんそうじゃないですか。自分の苦手なところ、うまくいかなかったことを毎度振り返って、次に繋げていく。常に勉強ですよね。
畳作りを一生かけて追求したい。
職人の仕事は諦めなければ絶対に上達していきます。自分の納得できるものができたり、去年よりこれができるようになったと実感したり。そうやって生きている間、年々うまくなっていくんだから、やっぱり面白いですよ。道具も自分で工夫しています。好きで一生続けたいという仕事に巡り合うことはなかなか難しいと思いますが、私はそれが畳でした。昔の畳が見つかったとか、滅多にない技術があるとなれば県外でもどこでもすぐに見に行っています。
ザクザクザク…。専用の包丁で畳の端を切り落とす、小気味よい音が工場内に響く。住宅事情の変化で昔ながらの畳は減っているが、天然素材ならではの調湿性や心地よさには根強い需要もある。職人は一生上達できる、だから面白いと語る山下さんと山口さん。畳を残していくために、伝統技法に学びながら日々技術を磨いている。
有限会社山下畳商店
〒769-0101 香川県高松市国分寺町新居1649-5
TEL 087-874-0102
URL https://tataminotakumi.com/