組手障子の技が生む新たなものづくり。
そして、建具にも注目してもらう循環を。

組手障子
森本隆(有限会社森本建具店)

高松市三谷町にあるライトグリーンの工房が目印の森本建具店。創業者である祖父は建具職人、父は家具職人といった職人一家の3代目にあたる伝統工芸士・森本隆さん。建具の伝統技術である組手(くで)を広めようと、組手障子を制作。妻・理恵さんの斬新なアイデアと融合させ、新たなものづくりを生み出している。

伝統的な組手の技を守りたい。

子どもの頃、母は食堂を営んでいました。食事をしにきた人たちが忙しそうにしている一方、父が休憩しているのを見て「職人は楽なんや」と勘違い。建具屋になると決め、高校卒業後に祖父の一番弟子に見習いに行き約2年間修行をし、実家に戻りました。昨今では木造の建具を設ける家は少なくなっています。このままでは伝統技術の組手が滅んでしまうと危惧し、20年前ほど前から組手障子の製造を始めました。

建具の技術を知ってもらう入口として。

建具以外に何か面白いものがあったら、そっちをしていたかもしれません。他のことに目が移らなかったから、こうして40年以上建具屋を続けられているんだと思います。今は建具を知らない人も多いです。10年ほど前から組手の技術を使ってインテリア雑貨やデスク周りの小物を作ってきました。まずはこうした小物に注目してもらって、それを入口として建具・組手障子を広めていきたいですね。

きちんと用を成す仕事をすること。

心がけているのは、家のサイズに合わせてきちんと納めて、ちゃんと動いて、用を成すような仕事をすること。玄関やトイレの戸はなくてはならないものですから、後々不具合が出ないように製造します。組手では精度を大切にしています。寸法を合わせておけば、誰でも組み立てることができます。製材する時、なぜだか木が反っていく場合もある。そんな経験を何度も積み重ねて、全てきれいに切れるととても楽しい。やはり思い通りのものができると良いですね。

「建具職人に休みはない」と語る通り、朝から晩まで建具に取り組む森本さん。細長い板状のパーツに溝を彫り、格子状にはめ込む組手は淡々とした正確さが求められる仕事。理恵さんのアイデアやデザインを組手の技術に落とし込み、夫婦二人三脚で新たなものづくりにチャレンジしている。


有限会社森本建具店
〒761-0450香川県高松市三谷町176-1
TEL 087-864-8872
URL https://tategumorimoto.com/

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