作る喜びがぎゅっと詰まった
讃岐の宝物を次の時代へ。
讃岐かがり手まり
荒木永子・讃岐かがり手まり保存会
高松市の街中に工房兼ギャラリーを構える讃岐かがり手まり保存会。建物のレトロな雰囲気が、手まりの柔らかな美しさを引き立てる。敷地内では材料のもみ殻を乾燥させたり木綿糸を染めたりと、一連の作業も行われている。制作はもちろん、展示販売や体験教室・定期講座などを通じてその魅力を発信する、伝統工芸士の荒木永子さん、同じく伝統工芸士で讃岐かがり手まり保存会の作り手である合田眞由美さんにお話を聞いた。
きっかけは、義母手作りの素朴な手まり。
荒木)小さいものや手仕事には元々興味がありました。嫁ぎ先の義母が手まりを作っていて、その素朴な風合いと柔らかな色合いに惹かれました。本当におしゃれで素敵だなと思って。そこから夢中になって手伝いを始めて、2年後ぐらいから自分でも模様を作るようになりました。口伝なので、義母に聞いて、完成品を見て、と自分なりに作り方を解明していきました。
遊び心を忘れず、新しいチャレンジを。
荒木)思い出深い仕事は、匂い袋にヒントを得て手まりの芯にお香の原料を入れた香手まりシリーズを作ったことです。色々なメディアで紹介され、今なおロングセラーなのが嬉しいですね。これからは伝統技術を高めながらも、アートやインテリアといった分野まで広げて、手まりの新しい世界を表現していきたいです。そうした挑戦を続けていくことが次の伝統に繋がっていくんだと思います。
丁寧な手仕事の上に成り立つ、心躍る世界。
合田)手まりが面白いのは、同じ模様でも作り手によって個性が出てくること。色づかいとか糸の張り具合などです。私自身も色づかいは一番悩む部分です。一色変わるだけでも雰囲気が大きく変わりますから。
荒木)手まりづくりでは目印となる地割線を正確に施し、糸を丁寧に並べたりと全ての工程で手が抜けません。そうした丁寧な仕事を積み重ねた上で、自分の好きな世界観を表現できるとすごく楽しい。心が躍ります。
手まりの存続のため荒木さんのお義父さん・お義母さんが保存会を発足して40年超。会に所属する作り手は今や100名ほどにのぼるという。その小さな球体には、作り手各々の感性や作る喜びが反映される、と荒木さんは語る。昔も今も多くの人を魅了してやまない讃岐かがり手まり。その世界はこれからもますます多彩に広がっていきそうだ。
讃岐かがり手まり保存会
〒760-0055 香川県高松市観光通2丁目3-16
TEL 087-880-4029
URL https://www.eiko-temari.jp/