基本に学び自由に表現する、
手まりの不思議な美しさ。

讃岐かがり手まり
寄能由香里

讃岐の手まりは自由な色と文様が魅力だ。個性あふれる色合いや新たに生み出される文様は数えきれないほど。色と文様の妙味は見れば見るほど奥深く、思わずいくつも集めたくなってしまうほど。西讃の三豊市周辺では、伝統工芸士・寄能由香里さんやその師匠で伝統工芸士の曽川満理子さんを始め、4人の作家が美しく新しい手まり表現に挑んでいる。

手まりの不思議に魅了されて。

師匠でもある伝統工芸士・曽川満理子さんの手まりを見て、すごく感動したのがきっかけです。この球体の中にどうしてこういう花の文様ができたりするのかなって、とにかく不思議で。それでご縁があって教えてもらうことになりました。習い始めは覚えも悪くて苦労もしましたが、やっぱり好きなので今まで続いています。体験教室がきっかけで手まりに触れて、ずっと制作を続けている人も多いですね。

まずは基本の作り方を大切に。

手まりづくりは、最初は小さいものから練習します。もみ殻を巻いた和紙が見えなくなるまで、とにかく何周も分厚く糸を巻いて土台にします。そこから、柱を立てると言うのですが、後工程のための補助線を入れていきます。こうした基本の部分は昔からずっと変わっていません。基礎的な分割の仕方とか菊かがりのような文様を覚えたら、想像力を働かせながら自分なりの新しい文様を作っていきます。

得意の菊かがりをアレンジして様々な表現に。

色々な文様を組み合わせてアレンジするのが好きなんです。特に菊かがりが好きなので、麻の葉文様と組み合わせたり、菊かがりから派生させて鶴やダリアを表現したりしています。かがり方は色々と自分で試してみたり、仲間と意見交換したりしています。新しい文様に挑戦するときは課題も多く難しいですが、その分自分が思った通りの出来栄えになると、思わずニヤっとしてしまいますね。

工房のギャラリーに並ぶ、大小色とりどりの讃岐かがり手まり。日本古来の伝統的な文様を受け継ぎつつも、現代の職人の手によって現代的な色合わせや文様が展開しているのが大きな特長だ。季節の花鳥風月を丁寧にかがった手まりを見ると、自然の美しさを慈しむ寄能さんのあたたかな想いが感じられる。


 

香川で生まれるもの:つくるひと