大切なのは品質を保つこと。
継承してきたものを守り続けて。
志度桐下駄
山西就治(有限会社山西商店)
さぬき市志度(しど)湾に面した一角にある山西商店。志度はかつては日本有数の下駄の産地として名を馳せ、今なお国産桐下駄は全国シェアの3割を占めている。3代目の伝統工芸士・山西就治さんはこの道40年超。良いものは時代が変化しても残っていく。その信念のもと、100年以上にわたり蓄積されてきた技術を受け継ぎ、一足一足、良質な下駄を作っている。
完成された基本形に忠実に。
下駄は誕生した時からずっと基本設計が変わっていません。例えば歯の位置を変えるとバランスが悪くなり歩けません。ですから、新たにデザインするとしても、そういった基本、変えてはいけない部分は頑なに守っています。技術についても同様です。技術を積み重ねてより良いものを作る努力はしてきましたが、明治時代から受け継がれている加工の仕方そのものは変えることなく継承しています。
実用品としての下駄づくりを追求する。
父にはよく「芸術作品ちゃうぞ。下駄はあくまでも実用品。品質を追求しすぎるとコストが合わなくなるから、あるところで妥協せないかん」と言われていました。下駄としての機能性や仕上げで妥協はできませんが、途中工程で省ける部分は工夫しないといけません。大事なのは自分が納得できるかではなく、手に届く価格にするために、決められた時間内で限界まで品質を上げていくことです。
大切なのは、道具の手入れと材質の見極め。
この仕事で一番大切なのは道具を研ぐことです。いくら削ったところで、切れない刃物だと仕事にならない。きちんと砥石で研いでよく切れる刃物を用意すれば、仕事も楽になります。天然の材料を使うので歩留まりをよくすることも重要です。外側だけでなく中にある含みキズなどもいち早く見抜く目が大切です。品質を落とさず、そして効率よく仕上げていくためにいつも気をつけています。
穏やかな語り口でいつも物腰柔らかな山西さんだが、仕事となると「基本に忠実に、道具を大事に、効率よく」と実に職人らしい。志度の桐下駄は、いち早い規格化や流行型の研究開発など、産地一丸となって品質向上が図られてきた歴史をもつ。昭和の「下駄離れ」も粘り強く乗り越えてきた山西商店。数少ない製造元として“本当に良い”下駄を追求していく。
有限会社山西商店
〒769-2101香川県さぬき市志度5382-33
TEL 087-894-0306
URL https://yamanishi-kirigeta.rgr.jp/